タワーマンションから戸建てへ、そして再びタワーマンションへ。
私たち家族は、そんな少し変わった住み替えの経験をしました。
戸建てへの住み替えは、立地や環境などさまざまな条件を比較しながら、納得したうえでの選択でした。
けれど暮らしてみると少しずつ、私たちの望む生活とは噛み合わない部分が見えてきました。
そして住み始めてわずか4カ月後、私たちは購入したばかりの戸建てを売却し、以前住んでいたタワーマンションの同じ部屋に戻るという選択をしました。
今回は、戸建ての売却から再びタワマンで暮らし始めるまでの流れと、その判断に至るまでの過程を振り返ります。
手に入れたばかりの戸建ての売却

戸建てを手放すと決めたとき、まず考えたのはこの2つでした。
どのくらいの価格で売れるのかな
どこの不動産会社にお願いするのがいいんだろう
数カ月でも住んでしまえば中古物件。いくらで売却できるのか、不安がありました。
大手と地元密着型の両方に査定を依頼
まずは、全国展開している大手不動産会社数社と、そのエリアに強いとされる地元密着型の不動産会社の両方に査定を依頼しました。
大手には、広いネットワークと豊富な情報量という強みがあります。販売活動においても、知名度が信頼感につながる場面は多いと感じていました。
一方、地元密着型の不動産会社は、その地域の特性や買い手の傾向を熟知していて、価格の付け方や販促の進め方に柔軟さがあります。
地元の不動産会社に決めた理由
最終的にお願いしたのは、地元密着型の不動産会社でした。
担当の方は、私たちの事情を丁寧に汲み取ってくれて、「買取」という選択肢を提案してくれました。
買取であれば、内見対応や長期的な販売活動が不要で、引き渡し時期の調整も柔軟。
心のどこかに「早く気持ちを整理したい」という思いがあった私たちにとっては、魅力的な提案でした。
最初に、複数の大手不動産にも査定を依頼しておいたことで、相場感や自分たちの家の価値を客観的に把握できたのは大きな収穫でした。
その軸を持てたからこそ、納得して買取をお願いする決断ができたのだと思います。
仲介による売却と買取の違い
実際、大手の査定価格は購入価格と同程度でしたが、買取ではそうはいかず、私たちの資金から持ち出しが出ることになりました。
大手不動産会社の出してくれた査定額は魅力でしたが、それはあくまでも机上の数字。
実際にその金額で売れるとは限らず、販売期間の長期化や値下げリスクを考えると、「早く・確実に・ストレスなく」手放せる買取のほうが、私たちには合っていると判断しました。

仲介と買取、それぞれの特徴を比較
| 仲介による売却 | 不動産会社による買取 | |
|---|---|---|
| 売却活動 | 不動産サイトに掲載し、 買主を探す | 不動産会社が直接購入する |
| 期間 | 平均3~6カ月 1年以上経っても売れないことも | 2日〜数週間 売り主の希望で調整可能 |
| 内見対応 | 必要 | 不要 |
| 売却価格 ※私たちの場合 | 購入価格と同程度 高額売却も目指せる | 購入価格より低め (8.5〜9割程度) |
| 手続きの手間 | 売却活動・交渉・契約など 多岐にわたる | 会社との直接取引なので シンプル |
| 費用 | 仲介手数料+諸費用 | 仲介手数料不要、諸費用のみ |
| 向いている人 | できるだけ高く売りたい人 | 早く・確実に売りたい人 |
戸建ての売却、元の家に戻ってみて思うこと

地元密着の不動産会社に買取をお願いすることに決めてからはあっという間でした。
買取のための売買契約を交わし、戸建ての内見、引越し業者手配、荷造り…3週間後には元のタワマンの部屋に戻ってきました。
引越しが終わって元の家で寝た夜、めちゃくちゃほっとしたのを覚えています。
元々住んでいた部屋ではありますが、今回の住み替えによりカーテンや家具を変えたりしたので、ちょっと新鮮な気持ちもあります。
今後、住んでいて何か不便に思うことが出てきたら、まずはこの家でできることから取り組んでいこうと思います。
手始めにキッチン収納を以前よりも使いやすくなるように変えてみました。
私たちにとっての暮らしやすさを改めて実感
以前は当たり前だったことが、戸建てでの暮らしを経た今、とてもありがたく感じられます。
たとえば、ワンフロアで生活が完結する動線のシンプルさ。
エレベーターひとつで雨に濡れずにゴミ出しや買い物の出入りができること。
共用部の清掃や管理の行き届き方、設備の安心感など、どれも日々の暮らしの中で静かに効いてきます。
戸建てで感じていた日当たりや温度差、掃除の負担が解消され、気持ちにもゆとりが戻ってきました。
住み替えの経験があったからこそ、今の満足がある
一度戸建てに移り住んだことは、私たちの「失敗」だったのかもしれません。
でも、自分たちにとって何が本当に必要なのか、どんな環境が暮らしやすいのかを明確に知るきっかけになりました。
もし戸建てに住み替えることなくタワマンに住み続けていても、定期的に「戸建ての暮らしってどうなんだろう」と考え、迷いが生じていただろうと思います。なので、実際にやってみてよかったです。
少し遠回りな経験だったとしても、今の暮らしに対する納得感は、この住み替えの経験があったからこそ得られたものだと感じています。
▼今回の住み替えで迷った心の内や、元のタワマンに戻ることにした経緯は、こちらからお読みいただけます。
「家を買う=永住」じゃなくていい
家を買うとき、「一生そこに住む」という前提で考える方も多いのではないでしょうか。
私たちも戸建てに移り住んだときは、終の棲家にするつもりでした。
でも、今回の住み替えを経験して、私たちは少しちがう見方をするようになりました。
タワマンの元の部屋に戻ると決めたとき、私たちはまず、「この先10年くらい、家族が快適に暮らせること」を一番に考えることにしました。
それ以上先の老後のことやライフスタイルの変化は、今考えてもわかりません。
子どもが思ったより早く家を出るかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。
変化があったときはまた、その時の自分たちに合う住まいを選びたい。そう思えるようになったのは、この住み替えを経験したからです。
今の暮らし方や価値観に合う住まいを選ぶこと――「買ったからには一生住まなければ」というプレッシャーを手放すと、選択肢も気持ちも、ぐっと自由になるのかもしれません。
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